ポンプの保守知識

保守点検とは?

ポンプを構成する各機器及び部品がすべて正常に作動するために点検、整備により、故障を早期発見し、修理を行うことを保全といいます。
設備の保全は点検と整備を主体に行うが、それぞれの分野は概ね下表のようになります。

保全の考え方

これからは予防保全型に状態監視・傾向管理の要素を取り入れ、維持管理費を抑えることが必要になります。
状態監視や傾向管理を行うには、日頃からの点検が必要です。
点検には下表の方法があります。

日常点検内容

点検箇所 点検内容・方法 周期 判定基準 処置 備考
全体
運転状況
外面塗装/目視 1年 錆、剥離のないこと 汚れ除去、再塗装 陸上ポンプ
異常音/聴覚 1ヶ月 異常音のないこと キャビテーション調査
吸入水位/計測 1ヶ月 所定値範囲内のこと 原因調査
圧力計の指針/目視 1ヶ月 異常揺れのないこと 原因調査
電流計入力値/計測 1ヶ月 異常値でないこと 原因調査
保護装置動作/目視 1ヶ月 動作が正常なこと 原因調査
軸封部 漏水/目視 1ヶ月 水漏れのないこと グランドパッキンの増し締め 陸上ポンプ
発熱/計測 1ヶ月 異常値でないこと 原因調査
封水量、封水圧/計測 1ヶ月 所定値範囲内のこと 調整
軸受部 発熱/計測 1ヶ月 異常値でないこと 原因調査 陸上ポンプ
漏油/目視 1ヶ月 油漏れのないこと
汚れが少ないこと
原因調査
オイルリングの回転/目視 1ヶ月 正常回転のこと 原因調査
振動/聴覚 1ヶ月 異常音のないこと 原因調査
冷却水量、圧力/計測 1ヶ月 所定値範囲内のこと 調整

整備内容

点検箇所 点検内容・方法 周期 判定基準 処置 備考
全体 各部の緩み 5年 ボルトナットの緩みのないこと 増し締め
軸継手の芯出し 5年 規定値以下のこと 芯出し調整
絶縁抵抗 5年 規定値以上のこと コイル巻替え修理 水中ポンプ
接液部 塗装 5年 錆、剥離のないこと 汚れ除去、再塗装 陸上ポンプ
腐食 5年 異常腐食でないこと 取替え
軸封部 スリーブの摩耗 2年 規定値以下のこと 取替え 陸上ポンプ
グランドパッキンの摩耗 1年 異常摩耗のないこと 取替え
メカニカルシール 1年 油室内に浸水のないこと 取替え 陸上、水中ポンプ
回転体等 回転体の摩耗 5年 規定値以下のこと 取替え  
摺動部のすきま 2年 規定値以内のこと 取替え
ライナリングの摩耗 2年 規定値以下のこと 取替え

故障状況と対策