つながる、地球・くらし

KKEの現場レポート

寒さ厳しい北海道の 美しい大自然とともに(2)

弟子屈町役場弟子屈浄化センター|標茶町標茶終末処理場

標茶町クリーンセンター

雪の残る山道をゆっくりと上ったところにこの施設はありました。
焼却処理施設、埋立最終処分施設、リサイクルセンターなどの施設がある町のゴミ処理場です。町といっても広大な、そして美しい自然に囲まれながら暮らしを営む町です。
「まあ生まれ育ってからずっとここに居ますからあんまり大自然がどうのってないです。まあ鹿とか狐とか居ますけど」
この美しい自然は「普通のこと」なんだそうです。
仕事の内容は一般ゴミの焼却、分別、埋めたて、リサイクルなど。

朝からすぐに焼却作業。その後運び込まれる資源ゴミを分別・整理したり。瓶は白い瓶、茶色い瓶に分けたりもします。そのほか機械や設備の点検や、メンテナンス。一日にこなさなければならない仕事量は結構たくさんあるといった印象です。
「ダイエットになるかな。でも腰が痛いことも・・・」だそうです。
「肌が出てるところが痛いっていう感じですよね、耳がとれるんじゃないかと」
機械などもその配管の凍ったところを溶解するためにバーナーで溶かすところから作業をしなければなりません。それでもゴミの回収は毎日ある。そして毎日ゴミ処理の作業が続きます。

ごみ処理とリサイクルへの静かな情熱

平成7年にこの施設ができる前はごみの分別はされていませんでした。今では分別も進みずいぶん進歩しました。ごみは最終的に埋めて処理するので、焼却して量を減らし、資源となるものはできるだけリサイクルをするのはこの自然を守るためにも大切な取り組みです。ここではごみ処理場での作業をするだけでなく、こうした分別やリサイクルの住民への働きかけや指導などを行ったりもしてきました。
「資源ゴミの出し方について役所、各町内会で、チェックして指導をしたりしました。少し改善したようですけれども継続して徹底するのはなかなか難しいですね。」
分ければ資源、混ぜればゴミ。例えば灰皿代わりに使われた瓶にタバコが残っていると資源ではなくゴミとして扱わざるを得ません。こういった「仕方ないごみ」がまだまだ大量にあるそうです。
「瓶の水洗いを1本1本やっていても限界があるし、冬場はできないですしね。そういうのを全部は処理できないのが歯がゆいです。」
それでも、年2回、所員も参加して町内会で不法投棄をなくすためのクリーン作戦などを通して、ごみ処理やリサイクルへの関心は少しずつ高まってきた実感はあるそうです。所員ひとりひとりのごみ処理に対する強い想いを感じました。
寒さ厳しい山の上の施設の、和気あいあいとした暖かいムードが印象的でした。

弟子屈町廃棄物処理施設

大粒の雪が降りつもるその日、ちょうど屈斜路湖と摩周湖に挟まれたあたり、美しい自然に囲まれたこの施設を訪れました。扱ってるのは可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ。収集してきたり受け入れたりして、分別するのが主な仕事です。可燃ゴミの積み込み、それに付随してのゴミクレーンの運転管理などを行っています。
「雪が吹雪いて強かったりするといつも15分で帰れるところが4時間かかったり、ひどいときには帰れなかったり。」

ここは寒暖の差も激しく、冬は旭川にある事業所と1位、2位を争うくらい寒い。先日もー30℃と、ちょっと想像のつかない寒さを記録。そうなると寒いを通り越して「痛い」になるそうです。
「それから、まあ動物がたくさん出ますね。鹿、狐、以前はカモメも来てました。」
森の中にぽつんとあるゴミ処理施設。美しく大きな自然の中でそこに暮らす人たちの生活をそっと、というかごく当たり前のことのように支えているという存在感を感じました。

地域の暮らしと関わりを深めて

毎日の仕事の中ではゴミを受け取ったり、積んできたゴミをおろしてあげたりと、町民と接する機会が結構あります。
「いつもゴミを捨てさせてくれてお世話になってるからって差し入れをいただいたり。そんなやり取りやちょっとした気遣いで地域と密着している感じがします。毎日所員全員がそういう対応しているからなんでしょうね。」
この町の人たちが美しい自然とともに生きてきたのと同じように、住民の暮らしと当たり前のようにかかわり合いながら毎日を積み重ねて行く。本当にこの土地に根付いた仕事をしているんだなという印象を受けました。
「特に派手で大きな目標というのはないですね。ただゴミの分別など町のみなさんのゴミに対する意識を高めて行くお手伝いができればいいかなと思います。」と所長。
毎日のごみ処理やリサイクルの仕事を通して、地域との関係を深めながら住民のみなさんの理解が広がっていけば、暮らしにとってのクボタ環境エンジニアリングの役割も良い方向に広がっていくに違いありません。
「こうしたことが評価されるようになり、かつ地域の暮らしやごみとの関係もよくなっていくという、その両方が実現できる関係が作れたらいいなと思っています。」
施設は年々老朽化していきます。でもこうした目標のためには、できるだけ長い間この施設の能力が維持できるようにする取り組みが大切です。
「家も年数が経てば黒ずんだりシミができたりするのと同じです。でも施設や設備を大事にして現状維持していけるようにしたいと思っています。そのために必要なこと? 毎日無事故で丁寧な清掃、維持管理、補修などを続けていくことです。」
自分たちが住んでいるこの町をきれいにする手助けをするという、所員にとっては当たり前の毎日が、この美しい自然とそこでの暮らしのより良い関係を築き、未来に向かってつなげていくことになるんですね。