住民との絆を大切にした施設運営で地域貢献
2023年10月02日駿河湾を臨むスマートな処理施設
大井川環境管理センターは、焼津市の浄化槽が設置されている家庭や企業の浄化槽にたまった汚泥を処理する施設です。市内から運び込まれるし尿と浄化槽汚泥を合わせて1日あたり210klの量を処理するし尿・汚泥再生処理プラントです。
大井川が駿河湾に注ぐ河口にあり天気が良ければ富士山も見える立地で、こうした環境との調和を大切にしたすっきりとした建屋は、し尿や汚泥の処理をしていることを感じさせないスマートな施設の装いです。
本施設はDBO⽅式(Design Build Operate:設計、建設、維持管理、運営を一体的に事業者へ委託する方式)による発注で、当社は施設の設計・建設から完成後の補修や運転管理までトータルなサービスを提供しています。
地域との調和を重視した設計
処理物の搬入スペースは臭い対策も万全
処理物を搬入する車両
絆を大切にした地域社会への貢献
この施設では、運転管理業務の一環として積極的に地域住民との交流をしているのも大きな特徴のひとつです。2階には市民が自由に出入りできるコミュニティスペースがありプラントや所員の様子を見学することができます。
また、大きな会議室は、親子向けのイベントや研修など様々な目的に活用されています。
廃棄物処理施設は地域の人たちにけむたがられると思われがちかも知れませんが、積極的なコミュニケーションをとることで住民との関係も育まれています。
「環境に負荷をかけないようにするため生活に必要な施設なんですといったことを地域の人たちに知っていただくくために、市民の方を招いたイベントを開催したりしています。」
今後もたくさんの人にこの施設を知ってもらえるような企画を開催していきたいと所長が語ってくれました。
広々としたコミュニティスペース
地域住民を招いた親子見学会
映像を見たり実際にプラント内の見学なども
リサイクルへの取組み
環境プラントの役割として単に処理するというだけでなく、回収や再利用といった循環型社会の実現を見据えた設備や機能が注目されています。
ここでも従来の施設にはなかった「リン回収⽅式」による資源化設備を整備し、汚泥からリンを回収し、肥料などに利用するなど、廃棄物から有用物を生み出すリサイクルに取り組んでいます。
加速する新しい技術への対応と活用
2021年に処理業務を開始したまだ新しい施設のため、発生する課題への対処は「初めて」の場合が多くあります。そういった問題に対してもクボタグループで長年培ってきた経験やデータを活用したり、全国に展開する当社の事業所間の連携で迅速な対応を可能にします。
さらに、この施設での経験や知恵も共有され活用されることになります。
施設内はWiFiの環境が整っており、日々の点検作業もタブレットにデータ入力して共有されるようになっています。そのデータをもとに機械の点検整備時期の検討や判断を行います。
こうしたDXへの対応による効率化や新しい汚泥処理技術の研究開発などはプラントの現場と研究開発部門との関係を深めながら、さらに加速しようとしてます。
自信、やりがい、誇りも育てる
グループで蓄積してきた豊富な知恵やノウハウを共有するのはもちろんですが、プラントの現場ではOJT(On the Job Training)による教育を重視しています。当社は日本全国の様々な環境のプラントで事業を展開しており、専門的な経験を積んできた上司や先輩が実際の業務を通じて指導することで、教わる側も教える側にもメリットがあると考えています。
自分たちが住んでる地球で限られた資源を利用して生活する上で、汚れたものはきれいにして地球に還元するという仕事だという思いも共有しています。誇りというか、生きがいというか、そういう意識も育っていると感じます。