福島県・双葉町仮設灰処理第一施設

section #02 未知の課題とプログレスの実感。section #02 未知の課題とプログレスの実感。

溶融するという技術が導き出す
確かな前進

循環型社会の実現をめざすクボタが考えるディープリサイクル技術のひとつがクボタ独自の回転式表面溶融炉です。廃棄物など処理対象物から有価物を取り出し再び社会へ還元する技術です。

この施設では福島県内の仮設焼却施設で発生した焼却灰やばいじんを高温で溶融して、溶けたものは再生利用が可能なスラグとして回収し、分離されたばいじんのみを安全に保管することで減容化を実現します。
この溶融炉の技術によって、災害で止まってしまった時間を進めると同時に、これまで誰も経験したことのない、放射性物質を含む大量の廃棄物処理を安全に確実にコンプリートするという、新たな経験と大きな進歩が現実に進行中です。

求められるのは大量の廃棄物を迅速に確実に、そして安全に処理をすること。| 循環型社会を見据えた独自の技術でリサイクルと減容化をしています。

最大級の回転式表面溶融炉を操る

この施設では大量の廃棄物を迅速に処理するために、日本最大級の回転式表面溶融炉が2基建設されました。1基あたり75t/日、2基で毎日150tの廃棄物処理を行っています。

搬入される処理対象物は均一なものではなく、炉を止めることなく処理をし続けるためには、その処理対象物に合わせた高度で柔軟な操炉技術が求められます。
操業開始時には過去の経験値・データを道標にしていた運転・管理の現場でしたが、処理対象物と毎日向き合いながら試行錯誤が繰り返され、今ではここで生まれた新たな技術や知見を将来にも活かせる確固たるものにしています。

溶融炉の上部:

最大級の溶融炉が2基設置されています。

information

焼却灰・ばいじんの溶融処理

クボタの回転式表面溶融炉

クボタの回転式表面溶融炉

回転式表面溶融炉の主燃焼室と呼ばれる炉内はガスバーナにより1,300℃以上の高温に保たれ、処理対象物はその外周から少しずつ炉内へ投入されます。そのため、主燃焼室の温度変化が少なく、安定した運転が可能です。
高温の炉内で放射性物質はガス状になり、排ガスとして処理されます。
残りの処理対象物は炉内で溶けた後に冷却水で急冷され、安全かつ均一で安定した性状のスラグになります。

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